夢追い人の春夏秋冬『ラ・ラ・ランド』
こんにちは、キーノです。
今回の作品は『ラ・ラ・ランド』
デイミアン・チャゼル監督、2016年・アメリカ・128分
何を今更感は否めませんが、久しぶりに鑑賞。やっぱり色彩と音楽がズバ抜けて素晴らしい。
公開後すぐにサントラを購入して、いまだに聴いているほど飽きがきません。
(ここ2年ほど、朝の目覚ましは「Another Day of Sun」のままです。)
今やすっかり、次回作を心待ちにする監督の一人になったチャゼル監督。
新作と噂される「Babylon」も楽しみです。
ハイウェイ上の夢追い人
オープニングから一挙に心を鷲掴みにされます。
LAに繋がるハイウェイの渋滞。車から次々に飛び出してくる夢追い人たち。
彼、彼女らが歌って踊る「Another Day of Sun」。
こんなにたくさんの夢追い人がいながら、成功するのはほんの一握り。もしかしたら、ここにいる全員が失敗し、挫折するのかもしれません。
このオープニングのおかげで、ミアが最後に歌う「Audition(The Fools who Dream)」の感動が一層増します。
「夢追い人に乾杯を…」
「春夏秋冬」の円環構造
その渋滞の中に、ジャズバーを開きたい青年セブと女優を夢見るミアの姿が。
二人のニアミスから、春夏秋冬の円環する物語が幕を開けます。
といっても始まりは冬から。
映画撮影所のカフェでバイトするミア。
コーヒーを買いに訪れた女優に羨望のまなざしをおくる。
その後、パーティーの帰り道、聞こえてくるピアノの音に惹かれるように店内へ。
ピアノの奏者はセブだった。
ここが2人の原点であり、円環構造の始まりに。
2人は、春・夏・秋と仲を深め、恋をし、成長するも、恋愛は夢の成就のために犠牲になります。(ここは前作の『セッション』と同じですね。)
結局、夢を叶えた2人は、別れから5年後の冬に、セブが開いた念願のジャズバーで偶然、再会します。
そこで現れるあのラストは、2人が同時に夢見た「ifもしも」の光景でしょう。
(ミア視点に寄ってる気もしますが、そう信じたい。)
一年は、春夏秋冬を通して円のように戻ってきて、一周するごとに人は立ち位置を変えていきます。
ミアも5年前はカフェ店員でしたが、今度は女優となって同じ店を訪れました。
季節が一周する間に、どれだけ成長し、どれだけ夢に近づけているか。
(そういう意味では、毎年暮れ近くになるとヘコんでます…)
ただ、過ぎた時間はもう戻ってきません。セブやミアのように成功した人ですら、ifを求めます。
それでも2人は「これでいいんだ」と目で別れを告げ、セブは「1.2.3」のカウントで次の曲に入ります。
2人は過去に区切りをつけ、もう次の一周に、春夏秋冬に入っていったのです。
この終わり方、シビレましたね。
とても好きな作品。チャゼル監督の次回作が楽しみです。
おまけ
オープニングをパロディした「第74回ゴールデン・グローブ賞オープニング映像」が個人的にとても好きです。
スターが一堂に会する光景はいつ見てもワクワクしますね。
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