創作魂が胸を打つ!『「もののけ姫」はこうして生まれた。』
こんにちは、キーノです。
今回は、ドキュメンタリー作品『「もののけ姫」はこうして生まれた。』
『もののけ姫』の制作〜公開まで、2年間に渡ってみっちり記録した密着お宝映像です。
3枚組+特典映像で計4時間を越えておりますが、あまりの面白さに一気見でした!
これを観た後は『もののけ姫』の見方が激変しますね。
人間・宮崎駿監督の魅力
宮崎監督に密着した映像はいくつもありますが、僕が初めて観たのは『風立ちぬ』の舞台裏でした。
深夜にポチッとテレビをつけるとやってたのですが、まずビックリしましたね!
動く宮崎監督の姿を観たのはその時が初めてでしたが、イメージとまったく違う人でした。
作品のイメージから勝手に優しく穏やかな人柄だと思っていたのですが、とにかく口から出てくる言葉が荒い!
「あ〜しんどい!」とか「めんどくせっ」とかバンバン言っていて思わず爆笑してしまいました。
そこからもう宮崎監督の虜でしたね。『ポニョ』や『千と千尋』などの舞台裏を食い入るように観ました。
「へぇ〜!」が詰まった1本
そして『もののけ姫』の舞台裏です。
本作にも密着映像ならではの「へぇ〜!」が盛々に詰まっていました。
例えば、エボシ様はギリギリまで死ぬ予定だったこと。僕は初めて知りました。
監督が「やっぱり生かす!」と言って、急遽制作が延長し、ジブリ一同による地獄の追い込みが始まります。
一心不乱に絵を描きまくる宮崎監督の手はすでに腱鞘炎で、痛々しい湿布やテープが貼りに貼られていました。
タイトルすり替え事件
それから有名なタイトルすり替え事件!
『もののけ姫』で決まりかけていたところ、宮崎監督が「これはアシタカの物語だから、『アシタカせっ記』が良い」と言い張ります。
しかし鈴木プロデューサー「『もののけ姫』の方が絶対に良い!」と直感的に判断。
宮崎監督に無断で、公式予告の最後に登場するタイトルを『もののけ姫』にしてしまうのです。
それに宮崎監督は「もういいですよ」としぶしぶ泣き寝入りしたとか。
作品自体が素晴らしいのでいずれにせよヒットはしていたのでしょうが、僕的には『もののけ姫』にして大正解だったかなと…
「もののけ」+「姫」、インパクト絶大ですよね。
アフレコシーンだけで買い!
アフレコシーン、これは本当に観れて良かったです。最高でした!
とくに犬神モロを演じた美輪明宏さん!
ほかの声優陣たちが緊張している中、美輪さんだけ完全に宮崎監督を飲んでいます。
美輪さんの大迫力に流石の監督も「すげぇ〜」といった表情でした。
高笑いとか、とにかく凄まじい…そして恐い。
ダイナミズムを捉える戦い
絵コンテを描く宮崎監督の姿は観ているだけで感動的です。
アシスタントが描いた原画に納得いかず、宮崎監督が手直しすると瞬く間にまったく違う絵になるのです。
それは絵の上手さ云々ではなく、急に魂が宿るといった感覚でした。
そして絵コンテは、動きの躍動感・ダイナミズムをいかに捉える勝負であるかということも痛感しました。
槍を振るときの腰のタメ、ヤックルが飛ぶ直前に見せる重心の沈み具合、おんぶした人を背負い直すときの重みの出し方。
現実では当たり前の動作が絵としてリアルに再現されるとき、「あ〜その動き分かる!」といったアニメならではの快感が生まれますよね。
そして社会現象に
宣伝戦略でも熾烈な戦いが繰り広げられていました。
何せ当時、同じタイミングで公開されるのは『ジュラシック・パーク2』やら『エイリアン4』といったビッグネーム。
しかしフタを開けてみれば、日本興収トップ!
公開前の行列たるや、今日では中々お目にかかれない現象でした。
公開が1997年で、僕は当時まだ3歳ですから、ジブリの存在すら知りませんでした。
それでも後追いではありますが、『もののけ姫』はジブリ作品の中で一番大好きな映画となりました。
今後も好き続けます!そしてジブリの新作を待っています‼︎