青春映画の至宝!『ブレックファスト・クラブ』
こんにちは、キーノです。
今回の映画は、ついに来ました『ブレックファスト・クラブ』!
ジョン・ヒューズ監督、1985年のアメリカ映画(97分)です。
あらすじ
5人の高校生は、それぞれ違う理由で土曜の補習授業に呼び出されていた。
そこで「自分とは何か」をテーマにした作文を課される。
課題が手につかないまま、5人はぶつかり合い、笑い合いながら、徐々に距離を近づけていくのだが…
1番ご贔屓にしている青春映画で、初めて遭遇したときは立て続けに3連続鑑賞したほど。
5人の学生がただ学校に閉じ込められて、数時間後に出てくると人が変わったように成長している。
この感情の若々しさ、瑞々しさがたまりませんね。
5人の圧倒的な魅力
ストーリーは実にシンプルで、ただ本当に5人の生徒が学校の図書館に缶詰状態になるだけ。
登場人物も基本的にはこの5人(+監視役の厳しい先生)のみ。彼らが図書館の中で話し合って、駄弁って、時に脱走を試みてというだけなのに、なぜこれほどまでに面白いのか。
それはこのゴレンジャイのキャラクターがきわめて魅力的だからです。
その5人というのがこちら。
アンドリュー(スポーツバカ)
演じるのは、ブラット・パックの顔といっても過言ではないエミリオ・エステベス。
レスリング部のエースであり、正義感に満ち溢れています。
昼食の大飯食らいっぷりが印象的ですね。
クレア(お姫様)
お化粧も服装もバリバリで、自分は学校の人気者だと思っているクレア。
プライドが高く、他人に弱みは見せたくないというタイプです。
しかしお弁当に握り寿司はクセじゃ!
ジョン(チンピラ)
バタフライナイフにタバコ、マリファナと見るからに一番タチの悪いジョン。
彼が特攻隊長となって5人の仲をかき乱してくれたからこそ、物語が展開し始めます。
しかし脱走時に自ら犠牲になるなど、実は一番仲間思いの良い奴なのでは。
ブライアン(ガリ勉)
学校でも成績トップクラスで、一見何の問題もなさそうなブライアン。
しかし頭が良いならではの悩みが。
彼のおっとりして、ゆるふわなオーラが5人のバランスをうまく取ってくれていますね。
アリソン(不思議ちゃん)
出ましたアリソン!正直、彼女目当てで本作を見返すくらい個人的にタイプです。
無口で服装ダサくて、趣味がゴミ集め。異常に上手い雪景色の絵を描いて、その上に自分のフケを粉雪にして降らせるヤバイ人。
しかし見た人はご存知、クライマックスに最高の見せ場がありますね。
普段の学校生活では決して交わることのない5人が見せる化学反応。
これこそ本作最大の魅力でしょう。
若者は放っておいても成長する
本作冒頭にはデヴィッド・ボウイのこんな言葉が引用されます。
若者たちが変わろうとしている時、見下げて説教しても効果はない。
自分たちの変化はちゃんと分かっているから…
若者とは絶えず変化するような時期。本作の5人はその真っ只中にあります。
そんな彼らに課されたのは「自分とは何か」という作文。
つまり自己存在を断定するような作文など、初めから書けるわけがなかったのです。
図書館の地べたに座って5人で話し合う印象的なシーン。こんなところでも変に回想シーンを使わず、ただ話している様子をジーッと、ジーッと映します。
カメラも彼らの変化の瞬間を逃さないように、辛抱強く彼らを捉え続けるんですね。
その末に現れる5人の変化。学校に入るときと出てきたときの彼らはまったくの別人。
そして「自分とは何か」という無理難題に、ガリ勉のブライアンが代表して最高の回答を提出します。
…ブレックファスト・クラブ。最高ですね。