キネマ・ジャングル

国・年代・ジャンルを問わず、心に響いた作品について呟いてみる映画ブログです。

天才・メビウスのヴィジュアル革命『アルザック・ラプソディ』

こんにちは、キーノです。

 

今回の作品は『アルザック・ラプソディ』

メビウス監督・脚本・デザイン、2002年・フランス・全50分(14エピソード収録)

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Credit:Amazon.co.jp

バンド・デシネ(フレンチコミック)の『アルザック』を、原作者メビウス自ら監修して、アニメ化された本作。

 

宮崎駿監督にも多大な影響を与えており、本作が『風の谷のナウシカ』の元ネタになったという話も。

 

異空間を旅する主人公の短話が羅列される作りには、どこか筒井康隆原作の『旅のラゴス』っぽさもあります。

 

 

天才・メビウスのヴィジュアル革命!

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Credit:youtube

圧倒的に目を惹くのは、話の面白さよりもヴィジュアルの革新さです。

 

主人公は、反重力翼竜の背に乗って、多元世界"B砂漠"をさすらう孤高の戦士アルザック。

 

大気の流れにまかせて空を舞うその姿は、なるほどナウシカを思い起こします。

 

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Credit:youtube

B砂漠は、隅から隅まで謎めいた場所。

 

アルザック曰く、B砂漠は「世界であり、システムであり、時間の連続体」らしい。

 

B砂漠を舞台にした短いエピソードが、独立して並べられますが、相互に話の繋がりはありません。

 

しかし、そのどれもが奇怪なイマジネーションと強烈なヴィジュアルを持って、迫ってきます。

 

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Credit:Amazon.co.jp

一面の大地に群がり生える肉食植物、一度捕まれば巨人ですら離さない。

 

密生する植物の海にポツンと浮かぶ橋、その上で禅を組み笛を奏でるアルザック。

 

その光景は、地獄世界の中で唯一残された安寧の地のようにも見えます。

 

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Credit:Amazon.co.jp

 人工サソリ、バッタ爆弾、ガラス筒に閉じ込められた少女…SFとファンタジーが融合した強烈なイマージュのオンパレード。

 

エピソードの終わりには、もう少しメビウスの頭の中をのぞいていたい、とそんな想いに駆られます。

 

 

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