キネマ・ジャングル

国・年代・ジャンルを問わず、心に響いた作品について呟いてみる映画ブログです。

モンスター映画トップクラス!『アリゲーター』

こんにちは、キーノです。

 

今回は、下水道を這う脅威『アリゲーター』

 

ルイス・ティーグ監督、1980年のモンスター・パニック映画です。

 

本作を観て思い出しました…水に浸かったワニほど恐い動物はいないと。

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Credit:Amazon.co.jp

あらすじ

少女マリサは動物園で、ペット用の小さなワニを買ってもらう。しかし父親がマリサに黙ってワニをトイレに流し捨ててしまう。

時は経ち12年後、下水道で生き延びていたワニは、とある研究所が廃棄した成長ホルモンによって超巨大化する。

そして下水道から人の腕や脚が次々と発見され始める…

 

見せ方がもはやホラーの域

本作スゴイのは、アリゲーターの見せ方がホラーの域に達しているということ。モンスター映画は、リアル&ゾッとする見せ方ができるかが肝心ですよね。

 

これを踏まえて、僕が心底恐いと思ったポイントが3つあります。

 

①「水中」という脅威

アリゲーターは水陸両用なので陸上シーンも用意されていますが、圧倒的に水中の方が恐いです。

 

これは水中にいることで支配権が人間でなくアリゲーター側にあるため。

陸はどちらかというと人間の土俵なので、そこまで恐さは感じられませんでした。(走ったり高いところに登れば、なんとかなりそうなのです)

 

水中と言ってもアリゲーターが主戦場にするのは綺麗な浅瀬ではなく、暗く薄汚れた下水道の中。

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Credit:youtube

この場所選びがパーフェクト!

ここが地獄の一丁目みたいな場所で、ほぼ真っ暗な上に濁った汚染水が膝下まで張っています。

 

懐中電灯で辺りを照らしても、濁ってるので何も識別できない。

 

下水道において主導権は完全にアリゲーターにあるのです。 


②アリゲーターの「目」

本作は、アリゲーターの目のドアップで幕を開けます。

 

この爬虫類特有の目が恐ろしい。しかもワニには「瞬膜」なるものがあって、瞳と瞼の中間に横スライド式の膜があります。

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Credit:youtube

人間が水中に足を踏み入れたとき、この瞬膜がゆ〜っくりと開くんですね。

 

そしてジロ〜と目だけを人に向けて「お前を見つけたぞ」いう感じです。

ジョーズの目とはまた違った恐さがありました。

 

③演出が心霊レベル

ここですよ、一番心臓に悪いのは。

 

まず下水道に降りるとき、壁のラダーで一旦止まって上から懐中電灯で下を照らします。

 

するとドス黒い汚染水に湧き立つ無数の白い泡がアリゲーターの背中に見えるんです。

これは狙ってるのではなく、僕が怖がりすぎたせいでしょう。

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Credit:youtube

それから主人公が懐中電灯で地図を照らすと、光が反射して一瞬後ろが見えます。

 

そこにアリゲーターの顔がパッと映り込むんですよ!ここが一番怖かったかもしれない。

 

もはやホラー映画のやり口です。

 

捕食シーンが立派!

モンスター映画に絶対必須の人喰いシーンもしっかり充実。

 

 本作のアリゲーターは悪い人も純朴な人も平等に食べるので、より自然の無慈悲さが滲み出ております。

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Credit:youtube

 パーティー会場でのメイド丸呑みシーンとか強烈でしたが、一番は夜闇のプールでしょう。

 

誕生会か何かしていた子どもたちが外に出て、一人の少年に「プールに飛び込め」と催促します。

 

小さな飛び込み台の先まで進み、真っ暗なプールに光がパッと当たると、水中で大口を開けたアリゲーターが不気味に光っているのです。

 

この先は酷過ぎてとても言えません。

しかし思い切りのいい爆食には気持ちの良さすら感じました。

 

 

ラストまでしっかり恐さを持続させるのも良い!

危機が去った下水道をなぜか映すカメラ〜からの新たなる危機登場など、平和的に物語の輪を閉じないのも嬉しいですね。

 

モンスター映画の中でもトップクラスの面白さではないでしょうか。

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