モンスター映画トップクラス!『アリゲーター』
こんにちは、キーノです。
今回は、下水道を這う脅威『アリゲーター』!
ルイス・ティーグ監督、1980年のモンスター・パニック映画です。
本作を観て思い出しました…水に浸かったワニほど恐い動物はいないと。
あらすじ
少女マリサは動物園で、ペット用の小さなワニを買ってもらう。しかし父親がマリサに黙ってワニをトイレに流し捨ててしまう。
時は経ち12年後、下水道で生き延びていたワニは、とある研究所が廃棄した成長ホルモンによって超巨大化する。
そして下水道から人の腕や脚が次々と発見され始める…
見せ方がもはやホラーの域
本作スゴイのは、アリゲーターの見せ方がホラーの域に達しているということ。モンスター映画は、リアル&ゾッとする見せ方ができるかが肝心ですよね。
これを踏まえて、僕が心底恐いと思ったポイントが3つあります。
①「水中」という脅威
アリゲーターは水陸両用なので陸上シーンも用意されていますが、圧倒的に水中の方が恐いです。
これは水中にいることで支配権が人間でなくアリゲーター側にあるため。
陸はどちらかというと人間の土俵なので、そこまで恐さは感じられませんでした。(走ったり高いところに登れば、なんとかなりそうなのです)
水中と言ってもアリゲーターが主戦場にするのは綺麗な浅瀬ではなく、暗く薄汚れた下水道の中。
この場所選びがパーフェクト!
ここが地獄の一丁目みたいな場所で、ほぼ真っ暗な上に濁った汚染水が膝下まで張っています。
懐中電灯で辺りを照らしても、濁ってるので何も識別できない。
下水道において主導権は完全にアリゲーターにあるのです。
②アリゲーターの「目」
本作は、アリゲーターの目のドアップで幕を開けます。
この爬虫類特有の目が恐ろしい。しかもワニには「瞬膜」なるものがあって、瞳と瞼の中間に横スライド式の膜があります。
人間が水中に足を踏み入れたとき、この瞬膜がゆ〜っくりと開くんですね。
そしてジロ〜と目だけを人に向けて「お前を見つけたぞ」いう感じです。
ジョーズの目とはまた違った恐さがありました。
③演出が心霊レベル
ここですよ、一番心臓に悪いのは。
まず下水道に降りるとき、壁のラダーで一旦止まって上から懐中電灯で下を照らします。
するとドス黒い汚染水に湧き立つ無数の白い泡がアリゲーターの背中に見えるんです。
これは狙ってるのではなく、僕が怖がりすぎたせいでしょう。
それから主人公が懐中電灯で地図を照らすと、光が反射して一瞬後ろが見えます。
そこにアリゲーターの顔がパッと映り込むんですよ!ここが一番怖かったかもしれない。
もはやホラー映画のやり口です。
捕食シーンが立派!
モンスター映画に絶対必須の人喰いシーンもしっかり充実。
本作のアリゲーターは悪い人も純朴な人も平等に食べるので、より自然の無慈悲さが滲み出ております。
パーティー会場でのメイド丸呑みシーンとか強烈でしたが、一番は夜闇のプールでしょう。
誕生会か何かしていた子どもたちが外に出て、一人の少年に「プールに飛び込め」と催促します。
小さな飛び込み台の先まで進み、真っ暗なプールに光がパッと当たると、水中で大口を開けたアリゲーターが不気味に光っているのです。
この先は酷過ぎてとても言えません。
しかし思い切りのいい爆食には気持ちの良さすら感じました。
ラストまでしっかり恐さを持続させるのも良い!
危機が去った下水道をなぜか映すカメラ〜からの新たなる危機登場など、平和的に物語の輪を閉じないのも嬉しいですね。
モンスター映画の中でもトップクラスの面白さではないでしょうか。